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  1. 音楽研究 : 大学院研究年報
  2. 25

F.リスト《ミニョンの歌》分析と解釈 : 改訂を通したミニョン像の変遷について

https://kunion.repo.nii.ac.jp/records/491
https://kunion.repo.nii.ac.jp/records/491
5ddf0d34-ee9b-4ae7-8e9e-d5ff203e7ea9
Item type [ELS]紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1)
公開日 2017-02-22
タイトル
タイトル F.リスト《ミニョンの歌》分析と解釈 : 改訂を通したミニョン像の変遷について
言語 ja
タイトル
タイトル Eine Analyse und eine Interpretation des <<Mignons Lied>> von F. Liszt : Uber die Veranderungen der Mignon-Figur durch Revisionen
言語 en
言語
言語 jpn
資源タイプ
資源タイプ識別子 http://purl.org/coar/resource_type/c_6501
資源タイプ departmental bulletin paper
アクセス権
アクセス権 metadata only access
アクセス権URI http://purl.org/coar/access_right/c_14cb
雑誌書誌ID
収録物識別子タイプ NCID
収録物識別子 AN00034564
論文名よみ
タイトル F リスト ミニョン ノ ウタ ブンセキ ト カイシャク カイテイ オ トオシタ ミニョン ゾウ ノ ヘンセン ニ ツイテ
著者 長井, 進之介

× 長井, 進之介

長井, 進之介

ja-Kana ナガイ, シンノスケ

Search repository
Nagai, Shinnosuke

× Nagai, Shinnosuke

en Nagai, Shinnosuke

Search repository
著者所属(日)
国立音楽大学音楽研究科
抄録(日)
内容記述タイプ Other
内容記述 本論文は、F.リスト(1811-1886)がJ.W.v.ゲーテ(1749-1832)の小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 Wilhelm Meisters Lehrjahre』の中の一篇である「あの国をご存知ですか? Kennst du das Land?」に作曲した≪ミニョンの歌 Mignons Lied S275/R592≫の分析を通して、リストのテクスト解釈を考察することを目的とする。 ≪ミニョンの歌≫は、1842年に第1稿が作曲されてから、リストの歌曲創作のほぼ全ての時期に亘って3回の改訂と2回の編曲が行われた。改訂の多さは、リストの創作全般においてきわめて特徴的だが、特に歌曲におけるそれは、歌唱旋律における韻律の処理やピアノパートの表現の変化など、作曲者のテクスト解釈の変遷が明快に反映されるため、器楽作品以上に改訂の目的を推定することが出来るはずである。 「Kennst du das Land?」を検討すると、多義的な意味が内包されていることが分かった。憧れの対象や目的地が、`あの国'をはじめとした様々な形で表現され、`あなた'に対する呼称も`私の愛しい人'、`私の保護者'、`(私の)お父様'と文脈に応じて変化することは、テクストに重層的意味があることの証であろう。個々の語句が持つ多義性を踏まえた上で「均衡強音」による意味の広がりに着目すると、ミニョンの出生の秘密やヴィルヘルムに対する感情の揺らぎ、`あの国'が指す場所といったものを読み取ることができる。 《ミニョンの歌》は、これまで第1稿を念頭に置いて比較考察されることがなかった。恐らく、第2、3稿がP.ラーベが編纂の旧全集に収録されたのに対し、第1稿はシュレージンガー社による1843年の初版しかないためだと考えられる。筆者がリストと同時代の不明のコピストによる筆写譜を入手し、ドイツ語歌曲版の三つの稿の比較考察を行った結果、大きく二つの特徴を見出すことができた。第一に、テクストの各節第5行にほとんど変化を与えなかった点である。この楽節の扱いからは、第1節、第2節の有節的な作曲と相まって、音楽に有機的な統一感を持たせようとした意図が窺える。第二に、テクスト各稿における第3節への作曲の仕方が大きく変遷していく点である。第3節における音楽上の大きな変化によって《ミニョンの歌》は通作歌曲としての性質を強く示す。第1稿における上昇への強い希求の表現は、改訂を重ねることで穏やかな表情に変化し、最終的には動きを極力排した和声的書法となった。 リストは、`あなた'の強調や呼称の変化を音楽に反映させると共に、`そこへ'という、方向性を指す言葉を徹底的に上行させることで、ミニョンの抱く憧れや祈りを描写しようとしたと考えられる。この手法は改訂によって変化し、第1稿及び第2稿では、恋愛感情という主観的な視点、第3稿では、さらに高い存在を意識した、諦観的な視点を読み取って作曲しようとしたことが見えてきた。リストにとっての「ミニョン」は、憧れと夢想の中にありながらも、強い意志と高い視点をもった女性であり、彼は改訂の中で、ミニョンの一人間としての姿よりも、普遍的なものの描写へと移っていったのであろう。
書誌情報 音楽研究 : 大学院研究年報

巻 25, p. 93-108, 発行日 2013-03-29
表示順
内容記述タイプ Other
内容記述 7
アクセション番号
内容記述タイプ Other
内容記述 KJ00008398805
ISSN
収録物識別子タイプ ISSN
収録物識別子 02894807
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