{"created":"2023-07-25T09:58:08.722028+00:00","id":491,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"83053e77-5e36-44bc-a27b-d6f1aa38c0ec"},"_deposit":{"created_by":8,"id":"491","owners":[8],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"491"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00000491","sets":["62:87"]},"author_link":["934","935"],"item_2_biblio_info_12":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2013-03-29","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"108","bibliographicPageStart":"93","bibliographicVolumeNumber":"25","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"音楽研究 : 大学院研究年報"}]}]},"item_2_description_10":{"attribute_name":"抄録(日)","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":" 本論文は、F.リスト(1811-1886)がJ.W.v.ゲーテ(1749-1832)の小説『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代 Wilhelm Meisters Lehrjahre』の中の一篇である「あの国をご存知ですか? Kennst du das Land?」に作曲した≪ミニョンの歌 Mignons Lied S275/R592≫の分析を通して、リストのテクスト解釈を考察することを目的とする。 ≪ミニョンの歌≫は、1842年に第1稿が作曲されてから、リストの歌曲創作のほぼ全ての時期に亘って3回の改訂と2回の編曲が行われた。改訂の多さは、リストの創作全般においてきわめて特徴的だが、特に歌曲におけるそれは、歌唱旋律における韻律の処理やピアノパートの表現の変化など、作曲者のテクスト解釈の変遷が明快に反映されるため、器楽作品以上に改訂の目的を推定することが出来るはずである。 「Kennst du das Land?」を検討すると、多義的な意味が内包されていることが分かった。憧れの対象や目的地が、`あの国'をはじめとした様々な形で表現され、`あなた'に対する呼称も`私の愛しい人'、`私の保護者'、`(私の)お父様'と文脈に応じて変化することは、テクストに重層的意味があることの証であろう。個々の語句が持つ多義性を踏まえた上で「均衡強音」による意味の広がりに着目すると、ミニョンの出生の秘密やヴィルヘルムに対する感情の揺らぎ、`あの国'が指す場所といったものを読み取ることができる。 《ミニョンの歌》は、これまで第1稿を念頭に置いて比較考察されることがなかった。恐らく、第2、3稿がP.ラーベが編纂の旧全集に収録されたのに対し、第1稿はシュレージンガー社による1843年の初版しかないためだと考えられる。筆者がリストと同時代の不明のコピストによる筆写譜を入手し、ドイツ語歌曲版の三つの稿の比較考察を行った結果、大きく二つの特徴を見出すことができた。第一に、テクストの各節第5行にほとんど変化を与えなかった点である。この楽節の扱いからは、第1節、第2節の有節的な作曲と相まって、音楽に有機的な統一感を持たせようとした意図が窺える。第二に、テクスト各稿における第3節への作曲の仕方が大きく変遷していく点である。第3節における音楽上の大きな変化によって《ミニョンの歌》は通作歌曲としての性質を強く示す。第1稿における上昇への強い希求の表現は、改訂を重ねることで穏やかな表情に変化し、最終的には動きを極力排した和声的書法となった。 リストは、`あなた'の強調や呼称の変化を音楽に反映させると共に、`そこへ'という、方向性を指す言葉を徹底的に上行させることで、ミニョンの抱く憧れや祈りを描写しようとしたと考えられる。この手法は改訂によって変化し、第1稿及び第2稿では、恋愛感情という主観的な視点、第3稿では、さらに高い存在を意識した、諦観的な視点を読み取って作曲しようとしたことが見えてきた。リストにとっての「ミニョン」は、憧れと夢想の中にありながらも、強い意志と高い視点をもった女性であり、彼は改訂の中で、ミニョンの一人間としての姿よりも、普遍的なものの描写へと移っていったのであろう。 ","subitem_description_type":"Other"}]},"item_2_description_15":{"attribute_name":"表示順","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"7","subitem_description_type":"Other"}]},"item_2_description_16":{"attribute_name":"アクセション番号","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"KJ00008398805","subitem_description_type":"Other"}]},"item_2_source_id_1":{"attribute_name":"雑誌書誌ID","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"AN00034564","subitem_source_identifier_type":"NCID"}]},"item_2_source_id_19":{"attribute_name":"ISSN","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"02894807","subitem_source_identifier_type":"ISSN"}]},"item_2_text_6":{"attribute_name":"著者所属(日)","attribute_value_mlt":[{"subitem_text_value":"国立音楽大学音楽研究科"}]},"item_2_title_3":{"attribute_name":"論文名よみ","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"F リスト ミニョン ノ ウタ ブンセキ ト カイシャク カイテイ オ トオシタ ミニョン ゾウ ノ ヘンセン ニ ツイテ"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"metadata only access","subitem_access_right_uri":"http://purl.org/coar/access_right/c_14cb"}]},"item_creator":{"attribute_name":"著者","attribute_type":"creator","attribute_value_mlt":[{"creatorNames":[{"creatorName":"長井, 進之介"},{"creatorName":"ナガイ, シンノスケ","creatorNameLang":"ja-Kana"}],"nameIdentifiers":[{}]},{"creatorNames":[{"creatorName":"Nagai, Shinnosuke","creatorNameLang":"en"}],"nameIdentifiers":[{}]}]},"item_language":{"attribute_name":"言語","attribute_value_mlt":[{"subitem_language":"jpn"}]},"item_resource_type":{"attribute_name":"資源タイプ","attribute_value_mlt":[{"resourcetype":"departmental bulletin paper","resourceuri":"http://purl.org/coar/resource_type/c_6501"}]},"item_title":"F.リスト《ミニョンの歌》分析と解釈 : 改訂を通したミニョン像の変遷について","item_titles":{"attribute_name":"タイトル","attribute_value_mlt":[{"subitem_title":"F.リスト《ミニョンの歌》分析と解釈 : 改訂を通したミニョン像の変遷について","subitem_title_language":"ja"},{"subitem_title":"Eine Analyse und eine Interpretation des <> von F. Liszt : Uber die Veranderungen der Mignon-Figur durch Revisionen","subitem_title_language":"en"}]},"item_type_id":"2","owner":"8","path":["87"],"pubdate":{"attribute_name":"PubDate","attribute_value":"2017-02-22"},"publish_date":"2017-02-22","publish_status":"0","recid":"491","relation_version_is_last":true,"title":["F.リスト《ミニョンの歌》分析と解釈 : 改訂を通したミニョン像の変遷について"],"weko_creator_id":"8","weko_shared_id":-1},"updated":"2023-09-11T07:50:30.699852+00:00"}