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アイテム
サーミの音楽を現代に生かす試み : フィンランドにおけるサーミのヨイクを例に
https://kunion.repo.nii.ac.jp/records/2216
https://kunion.repo.nii.ac.jp/records/2216262d3cff-24a5-4d48-b3b4-70f79915773d
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||
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公開日 | 2020-05-27 | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | サーミの音楽を現代に生かす試み : フィンランドにおけるサーミのヨイクを例に | |||||
タイトル | ||||||
タイトル | A Study of “Sámi Joik” in Finland : How Finnish Artists Use it in their Music | |||||
言語 | ||||||
言語 | jpn | |||||
キーワード | ||||||
主題 | サーミ, ヨイク, フィンランド | |||||
資源タイプ | ||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||
アクセス権 | ||||||
アクセス権 | metadata only access | |||||
著者 |
松村, 麻由
× 松村, 麻由× Matsumura, Mayu |
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抄録 | ||||||
内容記述 | 本稿ではフィンランドのサーミのアーティストを例に、現在のアーティストが制作する楽曲の歌詞からサーミの文化的な世界観を検討し、現代におけるサーミ音楽の位置づけを中心的に考察した。 サーミはノルウェー、スウェーデン、フィンランド、ロシアのコラ半島に分布する先住民族のことであり、マイノリティの立場に置かれている人々である。 彼らの言語であるサーミ語はウラル語族フィン・ウゴル語派に属し、フィンランド語、エストニア語などの系統と近い。サーミ語は現在、9のサーミ諸語に区分されているものの、地域により差が大きいため、相互理解が不可能な場合がある。研究対象であるフィンランドにおいては北サーミNorth Sámi、イナリ・サーミInari Sámi、スコルト・サーミSkolt Sámiの3つのサーミのグループが存在する。北サーミ語はサーミ語のなかで最も多く話されている言語である一方で、イナリ・サーミ、スコルト・サーミの話者は非常に少ない。 サーミ諸語は国境で分かれているのではなく、河川や湖の共同体など、生活様式が境界に反映され、言語の他にも、服飾などの伝統文化や音楽も異なっている。 本稿ではヨイクのアーティストである、Ulla Pirttijärvi&Uldaの2枚のアルバムからそれぞれ2曲ずつ選択した。 サーミの音楽であるヨイクは伝統的に、自然や動物、人物について描写している。現在もこれらを描写していることは変わらず、アルバム全体を通してサーミを取り巻く自然環境や文化を表現している。歌詞やアルバムを検討したことで、現代のアーティストはヨイクを通してサーミの文化を振り返ったり(過去)、未来へのメッセージ(現在~未来)を、歌詞を通して発信したりしていることから、自然や動物の他に「時」が、ヨイクを含むサーミ音楽おける主要なテーマになっていることが読み取れた。このことから、もとは一対一の近い関係で行われていたヨイクは、情景などの描写をするだけでなく、サーミ内外に対し強いメッセージ性をもつようになったことが考えられる。 アルバム全体を通して、歌詞からはヨイクに特徴的な音語だけでなく、歌詞(単語)も並置されたもの、さらには文章として成立しているものなど、複数のタイプが見られた。音語がサーミ独自の音響を生みだし、歌詞の世界観と合わせ、結果的に「サーミらしさ」が醸成されているといえる。 音楽活動は、サーミ語の言語教育にも反映されていることが推察される。今後は、音楽活動が言語教育にどのように反映されているのかに加え、フィンランドの3つのサーミのグループにおける音楽活動や歌詞、音楽活動の推移を課題とする。 |
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書誌情報 |
音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 32, p. 239-249, 発行日 2020-03-31 |
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出版者 | ||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||
ISSN | ||||||
収録物識別子 | 02894807 |