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アイテム
幼児の表現活動における和太鼓の有用性 : 他者との共鳴に着目した事例分析を通して
https://doi.org/10.20675/0002000656
https://doi.org/10.20675/0002000656ff39933a-7620-4061-bf90-03529dba58a4
| 名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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| Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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| 公開日 | 2025-06-09 | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | 幼児の表現活動における和太鼓の有用性 : 他者との共鳴に着目した事例分析を通して | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | The Usefulness of Japanese Taiko Drumming in Preschool Children’s Expressive Activities : A Case Study on Resonance with Others | |||||||||||
| 言語 | ||||||||||||
| 言語 | jpn | |||||||||||
| キーワード | ||||||||||||
| 主題 | 幼児の表現活動, 和太鼓, 他者との共鳴, 協同性 | |||||||||||
| 資源タイプ | ||||||||||||
| 資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
| ID登録 | ||||||||||||
| ID登録 | 10.20675/0002000656 | |||||||||||
| ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
| アクセス権 | ||||||||||||
| アクセス権 | open access | |||||||||||
| 著者 |
井出, ゆりの
× 井出, ゆりの
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| 抄録 | ||||||||||||
| 内容記述 | 平成29年告示『幼稚園教育要領』(文部科学省 2017)では、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」に「協同性」が示されており、幼児期に協同性を育むことの重要性が示唆されている。本稿ではこの観点を踏まえて、領域「表現」における音楽に関わる活動のうち、和太鼓を扱う事例を取り上げ、そこで見られる幼児同士の関わりに焦点を当てる。 和太鼓は、日本の伝統行事である稲作に関する祭りで用いられてきた楽器であり、その音やリズムは、祭りに参加する人々に一体感をもたらす役割があった。さらに、保育現場でしばしば用いられる長胴太鼓は、波打つような唸りや、大きい楽器であるがゆえの音圧の高さといった響きの特性がある。こうした響きは、打ち手自身の身体に留まらず、共に演奏する打ち手同士や聴き手にも共有されていることが推察される。これらのことから、他者との関わりを通して協同性の基盤を培う幼児期において、和太鼓が有用な楽器である、と筆者は推測した。しかしながら、幼児を対象とする和太鼓を用いた実践研究はいまだ少なく、特定の集団を長期間観察し、和太鼓を通した他者との関わりの様相を明らかにしている研究は見当たらない。 そこで本稿では、1年間に渡る観察事例から、和太鼓を通した他者との共鳴の一端を示し、幼児の表現活動における和太鼓の有用性を検討することを目的とした。観察は、国立音楽大学附属幼稚園の年長児クラス(5歳児)を対象とし、合計38日間、参与観察法により行った。観察結果を通して、子どもたちが和太鼓を打つ際に、音のみならず多様な表現を通して他者と共鳴する場面が見られた。本稿では、そうした場面から共鳴の様相が異なる3つの事例を抽出し、和太鼓がもたらす他者との共鳴について考察した。 その結果、幼児の表現活動における和太鼓の有用性として、以下の3点が見いだされた。 (1)他者と共に和太鼓を繰り返し打つ過程で、集団内において共通のリズムが共有される。そこで発生する響きやリズムの重なりを通して、打ち手は他者の音との共鳴を感じ取ることができる。 (2)和太鼓演奏では音だけでなく、動きや視線を通じて共に打つ相手と共鳴し、互いを感じ合うことができる。 (3)集団で和太鼓を打つことで発生する響きの共鳴や共通のリズムが、聴き手の踊りや唱えを誘発する。こうして個々の表現が集団全体で共鳴することで、一体感がもたらされる。 以上の結果から、表現活動において幼児が他者と共に和太鼓を打つことは、周囲の人々と共鳴している実感を強め、協同性の基盤を培うことにつながる、と筆者は考える。 このように本稿では、幼児の表現活動における和太鼓の有用性が示唆された一方、実際に取り入れる際の課題点として、和太鼓に触れた経験のある保育者が少ないことや、予算的な問題から複数の和太鼓を幼稚園に設置することの困難性が考えられる。そのため、保育者による具体的な指導の展開を明確にすることや、本稿で示したような、楽器がもたらす他者との関わりといった視点から、幼児に適する楽器を広く検討していくことが今後の課題である。 |
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| 書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 37, p. 155-166, 発行日 2025-03-31 |
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| 出版者 | ||||||||||||
| 出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
| ISSN | ||||||||||||
| 収録物識別子 | 02894807 | |||||||||||