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アイテム
アメリカ時代の2つの変奏曲におけるラフマーニノフと他作曲家との繋がり : 創作過程と演奏活動の実態を踏まえて
https://doi.org/10.20675/0002000653
https://doi.org/10.20675/0002000653584e2c13-3269-40dd-a8f5-2462963f63c7
| 名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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| Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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| 公開日 | 2025-06-09 | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | アメリカ時代の2つの変奏曲におけるラフマーニノフと他作曲家との繋がり : 創作過程と演奏活動の実態を踏まえて | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | Connections between Sergei Rachmaninoff and Other Composers in His Two Sets of Variations Composed in America : A Study of His Creative Process and Performance Activities | |||||||||||
| 言語 | ||||||||||||
| 言語 | jpn | |||||||||||
| キーワード | ||||||||||||
| 主題 | ラフマーニノフ, クライスラー, アレーンスキイ, 変奏曲, 自筆譜 | |||||||||||
| 資源タイプ | ||||||||||||
| 資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
| ID登録 | ||||||||||||
| ID登録 | 10.20675/0002000653 | |||||||||||
| ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
| アクセス権 | ||||||||||||
| アクセス権 | open access | |||||||||||
| 著者 |
中原, 豪志
× 中原, 豪志
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| 抄録 | ||||||||||||
| 内容記述 | 本論は、ラフマーニノフの《コレッリの主題による変奏曲》Op. 42(1931)と《パガニーニの主題による狂詩曲》Op. 43(1934)における他作曲家からの影響について考察したものである。先行研究では、両作品に影響を与えたとして主題借用元の作曲家に言及する一方、主題借用元の作曲家以外には多く触れていない。筆者は2024年8月に実施した米国議会図書館での一次資料調査を基に、ラフマーニノフの自筆諸稿と演奏活動の実態を整理し、2つの変奏曲と他作曲家との連関を検証した。 Op. 42の主題はコレッリのソナタ集Op. 5の第12曲〈フォッリーア〉であるが、Mclean(1990)によってヴァイオリニストのクライスラー作品からの影響、Gertsch(2014)によって同《ラ・フォリア》編曲(1927年出版)からの影響が指摘されている。本論では、《ラ・フォリア》の第9変奏における原曲には見られない転調や主題回帰がOp. 42の第14変奏にも共通することを踏まえ、両者を比較した。主題のフォリア定型に従えば13小節目ではIIIとなるが、両変奏ではIIないし-IIが使用され、カデンツが拡大されている。この箇所についてOp. 42に関わる3つの稿である作曲ノート、清書譜、初版を辿ると、当該和声は創作初期の作曲ノートではクライスラーの《ラ・フォリア》と同じくII(7)であるが、清書譜以降で-II7へと変更されたことが判明した。つまり、この和声的拡張は執筆過程のある段階で発想され、意図的に創られた響きであると考えられる。続く第15変奏には《ラ・フォリア》の第9変奏の旋律が借用されており、《ラ・フォリア》の要素がOp. 42の2つの変奏に組み込まれ、展開された様を確認した。 Op. 43に関してCannata(1999)は、第18変奏のスケッチから主題を反行させる手法で紡がれた過程を発見し、この手法についてSwayne(2022)はレーガーの《モーツァルトの主題による変奏曲とフーガ》Op. 132(1914)における主題の反行変奏から影響を受けたことを示唆する。本論では、ラフマーニノフが演奏活動で精通していた変奏曲を概観し、その他の変奏曲からの影響について考察した。そこで筆者が注目したのはアレーンスキイの《チャイコーフスキイの主題による変奏曲》Op. 35a(1894)の第7変奏における反行手法である。ラフマーニノフは当該楽曲を1912年に指揮しており、ここから着想を得た可能性が検討された。更に、Op. 43の第18変奏とOp. 35aの第7変奏は、前変奏との対比によって反行主題の旋律を際立たせ、主題とは異なる性格に変容するという特徴も見られた。 クライスラー作品とOp. 42、アレーンスキイ作品とOp. 43に見られる共通項を介して、ラフマーニノフに近い関係にあった先人や同時代人からの影響が浮かび上がった。彼らの存在がアメリカ時代の変奏曲創作を支えた可能性、そして先例の変奏曲における音楽要素を取り込み「作曲家ラフマーニノフ」として自身の音楽に昇華させた一面を捉えることができる。 |
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| 書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 37, p. 107-122, 発行日 2025-03-31 |
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| 出版者 | ||||||||||||
| 出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
| ISSN | ||||||||||||
| 収録物識別子 | 02894807 | |||||||||||