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團伊玖磨の歌劇《建 Takeru》のオペラ台本に関する一考察 : 『古事記』、『日本書紀』との比較を通して
https://doi.org/10.20675/0002000652
https://doi.org/10.20675/0002000652f7f9cbbb-8faf-429d-aa05-d1f0405706a7
| 名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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| Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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| 公開日 | 2025-06-09 | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | 團伊玖磨の歌劇《建 Takeru》のオペラ台本に関する一考察 : 『古事記』、『日本書紀』との比較を通して | |||||||||||
| タイトル | ||||||||||||
| タイトル | A Study on the Libretto of Ikuma Dan’s Opera Takeru : A Comparative Study with Kojiki and Nihon Shoki | |||||||||||
| 言語 | ||||||||||||
| 言語 | jpn | |||||||||||
| キーワード | ||||||||||||
| 主題 | 團伊玖磨, オペラ, 建 Takeru, 台本, 稿比較 | |||||||||||
| 資源タイプ | ||||||||||||
| 資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
| ID登録 | ||||||||||||
| ID登録 | 10.20675/0002000652 | |||||||||||
| ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
| アクセス権 | ||||||||||||
| アクセス権 | open access | |||||||||||
| 著者 |
竹内, 伶奈
× 竹内, 伶奈
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| 抄録 | ||||||||||||
| 内容記述 | 本論の目的は、團伊玖磨(1924–2001)の歌劇《建 Takeru》(以下、《建》)(1995–1997)の台本の制作過程および台本の構成を検証し、作品の理解および演奏解釈の一助とすることである。《建》の台本は、日本最古の歴史書である神話『古事記』(712)、『日本書紀』(720)(以下、『古事記』と『日本書紀』の両方を指す場合は記紀とする)に登場する英雄、ヤマトタケルの物語を題材として、團自らが執筆した。團自身が台本を執筆するのは、同じく神話を題材としたオペラ《素戔嗚(すさのお)》(1992–1994)に続いて2作目である。本作は全3幕8場から成り、1997年の新国立劇場の杮落とし公演のために委嘱された。 本論では、記紀とオペラ台本の相違に着目し、登場人物の性格描写およびプロット上のドラマトゥルギーを考察した。検証の対象となる台本資料は、(A)第1稿のコピー、(B)第1稿をワープロで打ち直した台本、(C)第1稿を手書きで修正した第2稿、(D)修正が反映された完成稿である第2稿の4点である。これらの資料には、幕構成やテクストに無数の加筆修正が行われており、團が台本の構成から生じるドラマトゥルギーについて、検討を重ねていたことが窺える。 記紀は類似の内容を扱っているものの、登場人物や名前の表記、話の筋書きなど異なる箇所がある。オペラ化する際に團は、物語の大筋は景行記(『日本書紀』においては景行紀)の物語に基づいているものの、登場人物の削除や脚色を行っている。また記紀の中でのヤマトタケルは、戦に勝った、敗れたなどという事実の描写が主であり、内面の姿はあまり描かれていない。そこで團は、オペラに登場する全ての人物と対話させた。建の周りを取り巻く人々との関係性を描いたことにより、建のキャラクターを浮かび上がらせたと言える。人物の心情を團自らの手で描いたことによって、新たな物語を紡いだ。さらに台本を構成する際に西征の物語を削除し、東征の場面からはじめたことにより、前史を割愛したことで物語に奥行きが生まれたと言える。 また『古事記』におけるヤマトタケルは、兄を殺害するなど荒々しい人物として描かれ、反対に『日本書紀』のヤマトタケルは、父に忠誠を尽くした人物として描かれている。團はオペラ化するにあたって主に『古事記』の人物像を採用し、さらに記紀においては希薄であった建の内面の吐露に力点を置いてストーリーを展開させた。その上で、場面としては何度も幕構成の変更を行った第2幕第3場が物語のクライマックスとして構成されており、團はこの場がオペラの中で重要と捉えていた箇所であると言える。「火」と「水」の2つの試練を続けたことで、物語の対立構造がより観客に伝わりやすくなった効果が得られた。さらに、記紀に登場していた建の妻たちを削除したことで弟橘姫の存在が際立ち、オペラのヒロインとして成立させたと推察した。 |
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| 書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 37, p. 89-105, 発行日 2025-03-31 |
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| 出版者 | ||||||||||||
| 出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
| ISSN | ||||||||||||
| 収録物識別子 | 02894807 | |||||||||||