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デュフールの『ティエポロ四部作』におけるピアノパートの機能に関する考察
https://doi.org/10.20675/0002000535
https://doi.org/10.20675/000200053511aa0a94-a3f1-4e7f-9e62-e8a43c790349
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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公開日 | 2024-06-01 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | デュフールの『ティエポロ四部作』におけるピアノパートの機能に関する考察 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Analysis of Hugues Dufour’s The Tiepolo Tetralogy : A Study on the Function of the Piano Part | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | ユーグ・デュフール, 『ティエポロ四部作』, ピアノ | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/0002000535 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
山田, 奈直
× 山田, 奈直
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抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 本論文の目的は、フランス人作曲家ユーグ・デュフール Hugues Dufourt(1943-)の『ティエポロ四部作』 において、ピアノパートがどのような機能を持っているのか検証することである。研究方法としては、4つの楽曲《ティエポロによるアフリカ L’Afrique d’après Tiepolo》(2005)、《ティエポロによるアジア L’Asie d’après Tiepolo》(2009)、《ティエポロによるヨーロッパ L’Europe d’après Tiepolo》(2011)《ティエポロによるアメリカ L’Amérique d’après Tiepolo》(2015)で構成される『ティエポロ四部作』のピアノパートについて、冒頭の特徴的な音型を「中心的楽想 Central idea」と定義した音楽学者ヤン・パスラー Jan Paslerの2011年の論文を参考に、それがピアノパートの中でどの様に変形され展開するのか、さらにはピアノ以外の楽器にどの様に拡張されているのか調査し、考察した。また、分析を行う上でのもう一つの重要な要素として、同じく4作品全てのピアノパートに登場する「低音トリルの楽想」も設定し、検証を行った。 研究結果としては、『ティエポロ四部作』の全ての作品において、ピアノパートのほとんどが中心的楽想と低音トリルの楽想の変形で構成されており、また、ピアノパートから始まった中心的楽想と低音トリルの楽想が、ピアノと他の楽器群で役割を分担する形で拡張されたり、他の楽器群へ完全に受け継がれたりするなど、ピアノパートの中心的楽想は楽曲全体に強い影響を及ぼしていることがわかった。また、中心的楽想と低音トリルの楽想の変形方法を各曲の部分ごとにまとめて一覧化したところ、常に微妙な変化を伴って作曲されており、(明らかに意図的な部分以外)同じ組み合わせになる箇所は存在しないことがわかった。さらに、『ティエポロ四部作』を俯瞰した視点から見ることで、「作曲とは、動[déplacement]かずに動きを含むダイナミックな印象を提案することから成る」というデュフールの創作態度そのものが表出した結果を確認できた。そして中心的楽想について、完全に同じではないもののよく似た音型が、デュフールの最初のピアノソロ作品である《馭者クロノスに An Schwager Kronos》(1994)に登場していることから、この音型は『ティエポロ四部作』のみならず、デュフールの楽曲におけるひとつの特徴的な書法であることがわかった。 本稿における検証によって、『ティエポロ四部作』の研究の基盤となるピアノパートの機能の一つを確認することができた。さらに、そこから見えてくるフレスコ画との関連性も部分的に言及することで、『ティエポロ四部作』においてフレスコ画の影響がどのように音楽に反映されているのか、今後のさらなる研究の可能性を提示している。 |
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書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 36, p. 253-269, 発行日 2024-03-29 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |