@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00000513, author = {桃井, 千津子 and Momoi, Chizuko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報}, month = {Mar}, note = {19世紀後半から20世紀にかけて発展した調性の技法が限界に達したとき、多くの作曲家が新たな技法を模索した。その結果、半音階や無調、調性の複雑化、伝統的な教会旋法や諸民族における音楽の要素が新たな書法として楽曲に取り入れられていった。これらは調性を構成した要素とは異なる増減音程、半音階や非和声音、非機能的和声進行などを多く含んだことから、旋律や和声による楽曲構造が複雑となり、調性に対する感覚も次第に曖昧になっていった。また近代フランス音楽に見られる漠然とした響きの楽曲は、旋法に起因している場合が多いとされる。この傾向がO.メシアン(Olivier Messiaen 1908-1992)の「移高の限られた旋法」など、人工的な音組織へと移行する端緒となった。これらも同様に明確な機能感がなく、旋律や和声による分析が曖昧になったのは言うまでもない。本論ではこれらの曖昧な楽曲を分析するための一方法として、イオニア~ロクリアを基本とする自然的な旋法と、人為的な旋法に分類した。それらをサークル(環状)表記することにより明確になる各特徴を挙げ、変化音を含む旋法がどの種類に属するのかを判断する方法を考察した。音階による表記では音程関係を考慮した記譜による、各旋法の特徴を挙げた。まずサークル表記により明確になったこととして、移調数と対称性が挙げられる。これらは白と黒の組み合わせから比較的容易に判断が可能となった。構成音が類似しているかどうかの判断も短時間で確認できた。また異名同音による音程度数の混乱が同位置表記により解消した。自然的な旋法に関しては、白黒の配置がほぼ不規則となる非対称性を示したが、人為的な旋法のほとんどは対称となった。さらに人為的な旋法は構成音数もさまざまであり、白黒の配置にも著しい偏りが見られるものなどがあった。C音に主音を固定した旋法の種類も減少した。基本の7旋法について特に重要なのは白黒がほぼ偏りなく配置されており、半音の位置だけで各旋法の性質を表す裏付けとなったことである。逆に人為的な旋法の中で白黒の配分に偏りがあるものは半音階的、和音的、増減音程的な要素による各旋法の特徴づけと考えられた。音階上の旋法表記では、自然的な旋法において、変化音を含む旋法の名称が変化した場合でも旋法構成音が元の旋法組織を基礎としていたことが明確になり、2種の名称をもつ場合は各特徴を共有していた。人為的な旋法の構成音は、異なる旋法の混合や音程関係に変化を加えた半音階、または和音的なものと捉えることが可能となった。7つの構成音以外の旋法も同結果が得られた。今後は実作品から構成音を選択し、それらをサークルに配置することによって、分類した旋法のどの種類に属するのかが明確になると考えられる。さらに基本となるサークル表記との比較により、付加音や変化音に対する理解が容易になることが期待される。今回選択外となった旋法の表記と特徴についても同様に考察していく。, 6, KJ00010210824, 研究ノート}, pages = {75--84}, title = {旋法の分類に関する一考察}, volume = {28}, year = {2016}, yomi = {モモイ, チズコ} }