@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00000503, author = {鈴木, 茜 and Suzuki, Akane}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報}, month = {Mar}, note = {本研究ノートは、カルク=エラート(Sigfrid Karg-Elert, 1877-1933)が、著書『和音と調性の極性理論』Polaristische Klang-, und Tonalit?tslehre, (Leipzig 1931)などで展開した二元論的和声理論をまとめたものである。二元論的和声理論は、長調と短調を鏡像的に捉え、長調の和声空間は下から、短調の和声空間は上から考えるというものであるが、彼はさらに和音の機能までも反対に考えていた。つまり、長調ではドミナンテが上5度の和音になるのに対し、短調では下5度の和音になるということである。カルク=エラートは、和声理論に関する著作を2冊残しているが、ここではより実践に近い理論が書かれていると思われる『和音と調性の極性理論』を訳し、その概要をまとめることとした。本研究ノートは、全3部あるこの著作の第2部までを要約したものである。全16章からなる第1部は、「本書全体への基本的な導入」と位置づけられ、ピタゴラスの理論から無調の形式まで、時代を追って音律、和声記号等について説明している。随所にカルク=エラート独自の考え方や記号も示され、歴史的な流れとカルク=エラート自身の理論との関連性、相違性が明らかになる。終章ではカルク=エラートが用いた用語、記号を表にまとめ整理している。全9章からなる第2部は、「極性的解釈における和声システム」と題され、主に全音階的和声理論を扱っている。カルク=エラート独自の用語や記号を1章ずつ紹介し、それらを用いた譜例とともに説明している。古典派からロマン派、近代にかけての他の作曲家の例なども含み、それらをカルク=エラートの理論によって論理的に解釈している。とりわけ転調に重点をおいており、主要和音から派生した様々な和音を利用して次の調へ自然と結びつく例を挙げている。また、長調と短調の境目が曖昧になり、後期ロマン派から近現代音楽へ発展していく過程も極性理論を用いて説明している。カルク=エラートの作品を分析する上で、極性理論の理解は欠かせない。あらゆる和音に名称と記号を与え、それを主要和音と関係付けて考える点で、この理論は非常に効率的で実践的である。この和声理論の解明とそれをもとにした作品分析、同時代の他の作曲家との比較が今後の研究の核になっていくだろう。, 4, KJ00009835002, 研究ノート}, pages = {49--60}, title = {S. カルク=エラートの「和音と調性の極性理論」に関する研究}, volume = {27}, year = {2015}, yomi = {スズキ, アカネ} }