@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00000486, author = {森, 太郎 and Mori, Taro}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報}, month = {Mar}, note = {ピアノにおけるアクション機構は入力インターフェイスとして最も重要な部品のひとつである.ピアニストは演奏会場にあるピアノを使うことを強いられているにもかかわらず,動特性の悪いピアノアクションを調整する方法は無い.それゆえ,ピアニストの中には自分のピアノをコンサート会場に持ち込む場合さえあり,アクションの定量的な設計が切に望まれてきた.またアップライトピアノはグランドピアノとタッチが異なることから,古くからその改良が望まれていたが,動力学モデルが存在しないために定量的な記述が不可能であった. 本研究では,動力学的観点からアップライトピアノアクションの性質を述べた上で,計算機によるシミュレーションを試みた.具体的には,アクションのパーツを連結させた回転運動の方程式を直接解く方法でアップライトピアノアクションの打鍵動作のシミュレーションを行う.解析には汎用マルチボディ・ダイナミクス・アルゴリズムを用いた.一般に動力学解析では,運動方程式と拘束方程式を導出し,その方程式に合わせてプログラムを作成するが,近年では方程式の導出そのものを自動化する手順が提案されている.本論文で用いたのは,処理には拘束条件式に運動方程式を加えた「拡大法」である. 一方,シミュレーションの正確さを確かめるために,実際のアクションの動作と比較する必要がある.これまでの研究では非接触センサによって鍵先端の変位を測定し,打鍵直前の傾きから速度を得ていた.本論文ではこれに代えて,民生用高速度カメラを用いてアップライトピアノのアクションモデルを撮影し,映像処理を行って各部品の代表点の変位を測定する方法を開発した.研究開始当初予定されていた測定器が不要になっただけでなく,任意数の点の動作を同時に測定できるようになった. これまでの研究で,アップライトピアノとグランドピアノのタッチの差を表す物理パラメータのひとつにアクションの総慣性モーメントとハンマーの最終速度が挙げられることを明らかにしてきた.本論文の方法により,これらのパラメータを定量的に設計することが可能となる.設計は計算機シミュレーションによって行うので,モデルを試作して確かめる必要がない.また,本論文では既存のピアノアクションにおいても調律技術者のアフターケアによるタッチの変更の可能性について検討した.本論文の方法を用いることで,ピアニストの好みに応じたアクションをデザインすることが可能になったと言える., 2, KJ00008398800}, pages = {17--27}, title = {アップライト・ピアノアクションの改良のための数値シミュレーション}, volume = {25}, year = {2013}, yomi = {モリ, タロウ} }