@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00000459, author = {山崎, 法子 and Yamazaki, Noriko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報}, month = {Mar}, note = {本研究はフーゴー・ヴォルフ Hugo Wolf(1860-1903)の《イタリア歌曲集 Italienisches Liederbuch》に関する研究である。 今回取り上げる《イタリア歌曲集》は、ヴォルフ自身が「最も独創的で、芸術的に見て、私のすべての作品の中で一番完成度が高い」と見なしていた作品である。全46曲を含む大きな歌曲集であるが、各々の曲が短く、一回の演奏会で全曲演奏が可能である。ヴォルフはパウル・ハイゼPaul von Heyse(1830-1914)の独訳による『イタリアの歌の本』から、リスペットと呼ばれる恋愛即興詩のみ選択し、作曲した。この歌曲集には声種の指定はないが、男女の曲がほぼ半分ずつあると考えられ、出版曲順にとらわれずに曲の組み換えを行うことによって、オペラにおける小さな愛の情景を連鎖させたような効果を作り出すことができる。その際、男女が対等に歌い合えるように工夫すると、効果が大きい。このようにストーリー性を持たせた演奏法はエリック・ヴェルバが先鞭をつけたもので、近年ではヨーロッパのいくつかの音楽大学でも研究されている。論文では、ヴェルバの千恒例をもとに、詩の内容や音素材の関連性を見出すことにより、相応しい組み合わせとして、5つの実例を考察した。第1は男女の夜のシーンをコメディー化した第42曲"もうこれ以上歌い続けられない"と第43曲"ちょっとだまったらどう"、第2は思春期の男女の恋煩いを綴った、第26曲"Ich liess mir sagen und mir ward erzahltいろんな人が僕に語ったことによれば"と、第24曲"Ich esse nun mein Brot nicht trocken mehr私はもう乾いたパンを食べることはないでしょう"。第3は冷戦から平和へのプロセスを語る、第8曲"Nun lass uns Frieden schliessenさあ、仲直りしようよ"と第19曲"Wir haben beide lange Zeit geschwiegen私達二人は長い間黙り込んでいました"。第4は美男美女のせめぎ合いを描いた、第10曲"Hoffartig seid Ihr, schones Kindお高くとまってるんだな、かわいいお嬢さん"と第13曲"Du denkst mit einem Fadchen mich zu fangenあなたは私を細い糸で吊り上げようとしてるわね"。 第5は最終曲第46曲"Ich hab' in Penna einen Liebsten wohnen私はペンナにいい人がいる"を巡る2つの歌曲の組合せ例、という順序で行った。それをヴォルフの音楽を「演出」する可能性を探る試みへの導入とすることが、この論文の目的である。, 6, KJ00005198199}, pages = {81--96}, title = {フーゴー・ヴォルフ《イタリア歌曲集》舞台風再現の試み}, volume = {21}, year = {2009}, yomi = {ヤマザキ, ノリコ} }