@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002611, author = {稲生, 涼子 and Ino, Ryoko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {国際バカロレア(International Baccalaureate,以下IBと略記)は,国際的な視野をもつ人を育成することを目標とし,「IBの学習者像」を掲げて国際バカロレア機構(International Baccalaureate Organization,以下IBOと略記)によって設計されている国際的な教育プログラムである。中でも3歳-12歳を対象にしたプライマリー・イヤーズ・プログラム(Primary Years Programme,以下PYPと略記)では,児童が5つの基本要素(「概念(Concepts)」,「知識(Knowledge)」,「スキル(Skills)」,「姿勢(Attitudes)」,「行動(Action)」)を習得し,「IBの学習者像」へと接近することで,国際的な視野をもつ人の育成を実現すると定められている。本稿では,主にこれら5つの基本要素を習得し「IBの学習者像」へと接近する仕組みをPYPのメカニズムと呼ぶ。IBOによりPYPの認定を受けている学校(以下「PYP認定校」と表記)では,このPYPのメカニズムに沿って,「概念」の理解を目的とした指導を行うことが推奨されている。 PYP認定校における「音楽」については,これまでPYPの中でも小学校課程のカリキュラムに焦点を当てた理論研究が進められてきた(安江2017)(稲生2019)。一方,PYPのカリキュラムに基づいた実践については,学術的な報告・分析が十分とはいえない。今後,一条校における,国際化へと対応できる人材を育てることを目標とした小学校音楽科の授業開発を推進するには,実践の観点からのPYPのメカニズムを明らかにすることが重要となる。 本研究では,IB導入を試みる学校への支援を文部科学省から依頼されているなど,PYPに基づく指導の蓄積をもつ各種学校の一つである,Aインターナショナルスクールのブルースを題材にした音楽の授業を参与観察した。収集した実践事例は,概念のうち,「機能」と「ものの見方」に焦点を置いて単元設計されたものであった。本研究では,これらの概念の理解を促すことを目的とした教師の指導言に焦点を当てて,カテゴリー化の上,指導言が児童の概念理解に与える効果について分析した。 その結果,「児童が楽器をとおして表現するための奏法を知る」という「機能」の習得に,「実演を伴う説明」,「基礎段階も踏まえた復習」,「指導意図の達成度合いの評価」を一連で行うことが有効であると示唆された。また,児童のみによる合奏を形づくる過程において,「二つ以上の楽器の奏法の違いを知る」という「ものの見方」の理解へと導くには,「教師の合奏への介入」が一定程度有効であると示唆された。}, pages = {105--122}, title = {国際バカロレアPYP認定校「音楽」の授業における概念理解へと導くための手法とその効果 : ブルースを題材にした音楽づくりに関する事例分析を通して}, volume = {35}, year = {2023}, yomi = {イノウ, リョウコ} }