@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002609, author = {山口, 啓 and Yamaguchi, Akira}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {本論文で筆者が分析対象としている作品は、ペア・ノアゴー Per Nørgård(1932-)が作曲した打楽器独奏作品《ウェーブズWaves》(1969年作)である。ノアゴーはデンマークの現代音楽作曲家であり、独自に開発した作曲技法である無限音列を楽曲に用いることで有名である。ノアゴーはこれまでに打楽器作品をいくつも作曲しているが、その中で《イーチンI Ching》(1982年作)が特に有名であり、今日の打楽器奏者の重要なレパートリーとなっている。《ウェーブズ》はノアゴーが最初に作曲した打楽器独奏作品であり、デンマーク人の打楽器奏者であるベント・ライロフ Bent Lylloff(1930-2001)によって初演された。 《ウェーブズ》は後述のウェーブ技法に基づく音の移ろいが楽曲の核をなしており、楽曲全体を通して様々な形で音の移ろいが表現されている。使用楽器はコンガ4つ、大口径の銅鑼、クロマティックゴング(c2からf2まで)、マリンバ、シンバル、トムトム、ティンパニ2台であり、膜鳴打楽器だけでなく金属と木質両方の体鳴打楽器まで幅広く使用されている。本論文では《ウェーブズ》の詳細な分析を通して、ノアゴーの打楽器に対するアプローチについて考察を行った。 第1章では先行研究であるアンソニー・ディ・サンザ Anthony Di Sanzaのレクチャーにおける配布資料を手掛かりとしつつ、本論文で《ウェーブズ》を分析するための重要な要素であるウェーブ技法について述べ、第2章では分析のために《ウェーブズ》を筆者独自のセクションに区分した。第3章では《ウェーブズ》をセクションごとに詳細に分析し、第4章でそのまとめを行っている。 第5章ではI.ハンセンの先行研究でも比較されていたS.ライヒの《ドラミング》と《ウェーブズ》の比較を行い、使用されている技法と音の移ろいの表現の観点からミニマルミュージックと《ウェーブズ》の近似性について考察し、類似した側面があることを指摘した。 第6章ではノアゴーの打楽器に対するアプローチについて、筆者がノアゴー研究者であるI.ハンセンから得たメールにある「新しい音の発明」というノアゴーの音楽観の根本にある考えを参照し、最初の打楽器独奏作品である《ウェーブズ》には、この考えが楽器の音色において強く表れていることを考察した。第7章は結論であり、《ウェーブズ》の詳細な楽曲分析から、ノアゴーの打楽器に対するアプローチとミニマルミュージックとの近似性について考察を行ってきた結果、《ウェーブズ》はその後、より複雑さを増すノアゴーの打楽器独奏作品の中で、彼の打楽器に対するアプローチの根幹を見ることのできる重要な楽曲であると結論付けた。}, pages = {71--87}, title = {Per Nørgårdの《ウェーブズ》に関する考察 : 彼の打楽器に対するアプローチについて}, volume = {35}, year = {2023}, yomi = {ヤマグチ, アキラ} }