WEKO3
アイテム
文部省の方針と音楽のアチーブメント・テストとの関係 : 昭和20年代の高等学校入学者選抜をめぐって
https://doi.org/10.20675/00002484
https://doi.org/10.20675/0000248402d2b55f-7cb4-46d6-a381-93a25f29aba0
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
![]() |
|
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2022-06-08 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 文部省の方針と音楽のアチーブメント・テストとの関係 : 昭和20年代の高等学校入学者選抜をめぐって | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | The Relationship between the Ministry of Education’s Policy and Achievement Tests in Music : On the High School Entrance Exams between 1950-1954 | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | アチーブメント・テスト, 高等学校入学者選抜, 指導と評価, 戦後音楽教育史 | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/00002484 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
鶴岡, 翔太
× 鶴岡, 翔太
|
|||||||||||
抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 1948(昭和23)年の新制高等学校発足を機に,高等学校の入学者選抜は刷新され,中学校が作成した「報告書」に基づく選抜へと転換された。この「報告書」には,都道府県ごとに実施する学力検査である「アチーブメント・テスト」(以下,アチーブと略記)の結果も含まれたが,これは選抜のための検査ではなく,中学校での学習達成度を測るためのものだった。 全国各地のアチーブに音楽の問題が導入され始めたのは,1950(昭和25)年度の入学者選抜の時期である。その後,1967(昭和42)年度の入学者選抜に至るまで,ほぼ全ての都道府県で音楽の問題が出題され続けた。アチーブは選抜の資料になるため,生徒,保護者,そして教師の意識もがアチーブに向けられ,アチーブに対応した学習指導が求められた。当時の雑誌記事からは,中学校音楽科の学習指導が半ばアチーブに規定されていた側面,アチーブによって学習指導要領の内容と学習指導,学習評価が一致しなくなっていた側面を垣間見ることができる。 音楽のアチーブに焦点を当てた研究は,管見の限り津田正之(1998)だけである。津田の研究は,史実の整理すらされていない音楽のアチーブを取り上げ,昭和20年代の中学校音楽科の実情を掘り起こした貴重な論考である。その一方で,津田の論考には不十分な点もある。そこで本稿では,津田(1998)の課題を踏まえ,文部省による通達で示された内容がアチーブで実現されていたのか,すなわち,文部省の方針とアチーブの実態との関係を明らかにすることを目的とした。 1950(昭和25)年,「教育目標は全ての教科によって達成される」という考えから全ての必修教科でのアチーブの実施が望まれた。このことが記された通達では,アチーブの具体的な指導も示された。それは,アチーブで何をどのように問うのかを方向付けるものだった。 音楽のアチーブは昭和20年代に全国的に浸透したが,「理論的知識(楽典事項)」,すなわち理解領域に傾倒したものだった。学習指導要領の枠組みからすれば,バランスを欠いていたと指摘せざるを得ない。ペーパーテストの限界があるにしても,学習指導要領との関係において,何を問い,何を見取るのかは,不易の課題である。そして,問題はどのように問うのかというところにもあり,その際には音楽の中で働く知識,音楽活動で活用できる理解を見取る視点が必要だった。実際に出題された問題を比べてみると,問い方によって必要な情報,働かせる思考が変わり,そして知識の質が変わることがみえてきた。このことを踏まえると,問い方を吟味することは,授業での子供の具体的な姿,子供の知識の獲得過程と正対する行為といえる。何を問うのかの先にあるどのように問うのかということが,殊更に重要になってくるのである。知識を音楽から切り離した状態で問うのではなく,常に音楽活動につながること,子供が実際の音楽活動で活用したりすることを前提にした問いが必要である。 |
|||||||||||
書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 34, p. 71-86, 発行日 2022-03-31 |
|||||||||||
出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |