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G.フォーレの歌曲創作における「和声構造」の構築手法4 : 〈マンドリン〉作品58-1を対象として
https://doi.org/10.20675/00002480
https://doi.org/10.20675/000024809da571dd-473a-4f75-a873-952735825036
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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公開日 | 2022-06-08 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | G.フォーレの歌曲創作における「和声構造」の構築手法4 : 〈マンドリン〉作品58-1を対象として | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | A Technique of Construction for the ‘Harmonic Structure’ in Gabriel Fauré's Song Creation 4 : A Study of a Focus on “Mandoline” from “Cinq Mélodies de Venise” Op.58 | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | ガブリエル・フォーレ, 《5つのヴェネツィアの歌》Op.58, ポール・ヴェルレーヌ, 『雅なる宴』, 島岡譲 | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/00002480 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
今野, 哲也
× 今野, 哲也
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抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 本研究は《5つのヴェネツィアの歌》Op.58を対象に、フォーレの「和声構造」(調の配列に基づく楽曲全体の構成方法)の構築手法を読み解くことを目的とする。2018年度から開始した本研究は、第2曲〈ひそやかに〉、第4曲〈クリメーヌに〉、そして第5曲〈それは恍惚なこと〉の考察を終えている。この3曲を先行させた理由は、相対的に歌曲集を捉える上でも切要になると考えたからである。第5曲の終結部分には、Des-dur(第5曲の主調)とG-dur(第1曲の主調)の交替が見られる。歌詞内容にも鑑み、本研究はこの3全音の調関係が、第1曲への「循環」を示唆するものと解釈している。今回はその流れを受け、改めて第1曲〈マンドリン〉に立脚することにする。 第1曲に関しては、(1)全音階的な和声(とくにIIIの和音には着目したい)、(2)マンドリンの模倣と思われるスタッカートの効いた伴奏型、(3)歌詞の内容と共に翳りを見せる「和声構造」、(4)それがヴェルレーヌの4節構造を採る原詩と密接に結び付く点、などの特徴があげられる。本研究はとくに(3)(4)の要因から、他の歌曲と同様に、第1曲を読み解く鍵は「和声構造」の構築手法にあると考える。 本研究は第1曲を、[a1](序奏:G-dur)→【A1】(第1節の歌詞:G-dur・・・dis-moll)→【A2】(第2節:G-dur・・・D-dur)→【B】(第3節:a-moll・・・B-dur)→【C】(第3~4節:B-dur・・・Es-dur→G-dur)→【A3】(第1節の歌詞:G-dur・・・dis-moll)→[a7](後奏:G-dur)に区分する。それは大きくは【A】系を軸とする、【B】と【C】が対比を成す三部分的な「和声構造」と言える。とくに【C】は、準固有和音調B-dur(〇III度調)で開始し、Es-dur(〇VI度調)に深化しながら、第4節の歌詞「疲れ切った戦慄の中でマンドリンが喋る」を歌う。〈マンドリン〉は開始部分こそ、曲集の序開に相応しく、全音階的な和声で幕を開けるが、【C】のあり方を見れば、たんに「陽気な歌」ではないことが理解されよう。この「和声構造」は、言を俟つまでもなく歌詞の内容に誘起するものだが、その内部では、細部にまで行き届いた和声が展開されており、第5曲とはまた違う意味ではあるが、第1曲も紛れなく、フォーレらしさを兼ね備えた作品と考える。 楽曲の主部とも言える【A1】と【A3】に置かれるdis-mollは、〈マンドリン〉でもっともシャープ系に寄る調だが、es-mollに読み替えれば、もっともフラット系に深化した調とも捉えられる。飛躍を恐れずに言えば、このdis-moll≒es-mollに対して、たとえば第3曲〈グリーン〉の主調Ges-durは平行調の関係を成すものであるし、第2曲〈ひそやか〉の主調Es-durは同主調の関係となる。このように「和声構造」の観点から考察を巡らせてゆくとき、歌曲集の「循環」において、第1曲〈マンドリン〉が果たす役割も、決して小さいものではないと考える。 |
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書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 34, p. 1-17, 発行日 2022-03-31 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |