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アイテム
18世紀前半のクラリネット奏者Charlesに関する考察
https://doi.org/10.20675/00002391
https://doi.org/10.20675/00002391b78fb9ff-4105-4600-974e-967b95cad22a
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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公開日 | 2021-07-21 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 18世紀前半のクラリネット奏者Charlesに関する考察 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Reflections on Charles, the Clarinetist of the Early 18th Century | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | Mr. Charles, 古典クラリネット, 18世紀, ロンドン | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/00002391 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
粟谷, 明菜
× 粟谷, 明菜
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抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 本稿は、18世紀前半のクラリネット奏者であるチャールズに焦点を当て、彼の名前、演奏楽器、交流、そして演奏記録について調査を行い、彼がクラリネット界に対して与えた影響の考察を行ったものである。 クラリネットという楽器は18世紀初期に誕生したと考えられている楽器であり、この時代のクラリネット音楽全般を勉強することは、古典作品の解釈のみならず、古典作品が影響を与えたであろう現代に至るまでのクラリネット作品全般への解釈へとつながり、大いに意味のあることと言える。中でも、18世紀のクラリネット音楽を研究する上で筆者がとりわけ重要だと考えているのが、当時の演奏家の存在についてである。なぜなら、実際に演奏する演奏家が当時のクラリネット音楽に対して強い影響を与えていたということが考えられるからである。18世紀前半に活動していたクラリネット奏者というと確認できる範囲では極めて数が少ない。その中で今回取り上げたのはチャールズCharles ca.1713-1780という人物である。彼は各地でクラリネットを演奏し、人々に楽器を紹介して広める役を担う先駆者のうちの一人であったと考えられる人物であり、彼を調査することは18世紀のクラリネット界を研究する上において非常に意義のあることだと考えられる。したがって、今回はチャールズに関する調査をし、考察を行った。 その結果、チャールズに関して気になることがいくつか浮上した。まず、彼の名前に関することである。彼の名前については“Mr. Charles”であることしか分かっていないが、Hiebertによって書かれた文献により、チャールズがある人物と同一人物である可能性が分かった。それは、同時期に活動していたホルン奏者のCarlo(Charles) Vernsbergという人物である。この推測は、チャールズに関する人物像を知る上で大きな手掛かりとなった。 次に、彼が演奏する楽器の種類についてである。彼はクラリネットのみではなく、全部で4つの管楽器を演奏する人物であった。そのことが彼の演奏活動の上で非常に役立っていたと考えられ、また彼の音楽に関する向上心を垣間見ることができた。 そして、彼がヘンデルと接点があったということについてである。彼らには面識があり、ヘンデルがチャールズのために作品を書いていることも分かった。 最後に、彼の演奏記録についてだが、これについては多数確認することができた。また、The British Newspaper Archiveでの調査により、先行研究には記載されていない演奏記録を新たに発見することにも成功した。これらの資料から、宮廷に属さないチャールズにとって演奏会は大事な収入源であり、その事によってクラリネットが様々な場所で演奏され、人々への認知が進んだと推測することができた。 未だに解明されていない部分の残るチャールズという人物だが、18世紀前半に記録の残る数少ないクラリネット奏者であり、彼らの歴史をたどる上でも非常に重要な人物であったと考えてよいだろう。各地でクラリネットを演奏し、人々に楽器を紹介して広める役を担う先駆者であったチャールズは、後世のクラリネット界に影響を与えた存在であると言える。彼も含めて、周りの人物に関して引き続き調査を進めていくことが、今後も18世紀のクラリネット奏者の相関関係を調査する上で重要になると考えられるだろう。 |
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書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 33, p. 155-170, 発行日 2021-03-31 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |