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音楽科教育における知識観の歴史的変遷 : 学習指導要領の記述とその趣旨の検討を中心に
https://doi.org/10.20675/00002388
https://doi.org/10.20675/00002388c8ccc3e5-f5c8-4677-900b-eaf6d7fd5c8a
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
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公開日 | 2021-07-21 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 音楽科教育における知識観の歴史的変遷 : 学習指導要領の記述とその趣旨の検討を中心に | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Historical Changes in the Perceptions of Knowledge in Music Education : Based on the Description in the Course of the Government Curriculum Guidelines | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | 事実的知識, 概念的知識, 音楽科教育, 学習指導要領 | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/00002388 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
鶴岡, 翔太
× 鶴岡, 翔太
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抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 平成29年改訂学習指導要領では,すべての教科等の目標及び内容が育成を目指す資質・能力の三つの柱に基づいて整理された。これを受け,音楽科でも「知識」に関する内容が明記されている。しかし音楽科では,これまで習得を目指す知識についてあまり正対してこなかった。そのため,平成29年改訂で示された「知識」にどのような意義があるのかが見えにくくなっている。そこで本稿では,音楽科における知識観の変遷を歴史的な視点から検討するとともに,平成29年改訂における「知識」がこれまでの延長線上にどのように位置付けられるのかについて考察することを目的とした。本稿では,資質・能力論における知識を階層的に捉える枠組みを参照し,客観的事実及び経験から得た事実などの個別の事実を「事実的知識」,それらが関連付けられたものを「概念的知識」と規定し,音楽科における知識について検討した。 これまでに告示された学習指導要領(昭和33年改訂~平成20年改訂)を概観すると,知識もしくは理解事項として示されていた内容を踏襲しつつ,マイナーチェンジを加える形で今日に至っていることが浮かび上がってきた。「基礎」が重視された昭和33年改訂及び昭和43・44年改訂においても,「概念的知識」の獲得が提案されていた。とりわけ,中学校における「基礎」の指導事項が「○○によって,□□が生じること(変わること)」という示し方になっていること,そこには音楽的な概念がわかるというレベルの「概念的知識」だけでなく,音楽の構造と感じ取られる曲想との相関によって構成される「概念的知識」の獲得も含まれていたことは注目に値する。ただし,感性・態度を重視する内容構成,知識の伝達への傾斜を改善する教育課程全体の方向性,それと連動した音楽科の改訂方針や当時の作成意図などを前に,知識の議論は霞んでしまった。 しかし,「概念的知識」の獲得に通じる考え方が断続的・断片的ではあるが含まれていたことを踏まえると,平成29年改訂における「知識」はこれまでの目標及び内容に溶け込んでいたものを整理し,方向付けて特出させたものと捉えるのが正鵠を射ている。目新しさが取り沙汰されるが,音楽科で育成していた能力の延長線上に位置付けられる。それを「知識」として打ち出し,育成を目指すものとして位置付けている点に平成29年改訂の意義がある。一方で,知識が更新されるという考え方が明示されたことには新しさがある。平成29年改訂では個別の「事実的知識」のみでなく,主観的な要素も含めて相互に関連付けられ,音楽の構造と音楽から感じ取られる曲想との相関によって構成される「概念的知識」なども「知識」と整理されている。これまでの“音楽活動を通して理解する”という段階から一歩先に進み,“実感を伴いながら理解する”ということに軸足を置くようになったことにもその影響が表れていると考えられる。 本稿では,行政から発出された資料に限定し,音楽科における知識観の歴史的変遷を検討した。本来,それだけで知識観やその変遷の全体像を捉えることはできない。音楽科における知識を取り巻く実際的な動きを踏まえ,多角的な検討を重ねることを今後の課題としたい。 |
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書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 33, p. 105-121, 発行日 2021-03-31 |
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出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |