@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002229, author = {長谷川, 悦朗 and Hasegawa, Etsuro}, journal = {研究紀要, Kunitachi College of Music journal}, month = {Mar}, note = {ロルツィングが完成させた20近いオペラ作品のうち《カラモ》(1839年初演)は、台本作家兼作曲家として最も多産であったライプツィヒ時代の一連のオペラの中では最も上演機会に恵まれない。漁師カラモは相手と合意済みで身分を入れ替えた「王子」として、本物の王子に対する私怨の復讐を果たす簒奪者にして報復者となる。しかし、カラモによる下剋上が正当化されるかどうかについては裁かれるどころか顛末が公表されることすらないままハッピーエンドの幕切れとなる。結末で殆どの登場人物が覚えるはずの不可解さを糊塗するかのような全体合唱に接する観客にはカタルシスが生起しない。台本にはコンサートの開催や漁師歌の披露のような形式で「歌唱」が組み込まれている他、衣服を着用する動作も複数回にわたって明示されている事実とも相俟ってメタ次元での解釈も成立する。《カラモ》の批判の矛先は同時代の階級差ばかりでなく現代社会にまで向けられている。}, pages = {135--143}, title = {簒奪と報復を超越して : ロルツィングのオペラ《カラモ》について}, volume = {54}, year = {2020}, yomi = {ハセガワ, エツロウ} }