@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002213, author = {内山, 菜津子 and Uchiyama, Natsuko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {小林宗作(1893〜1963)は、大正末期から昭和初期にかけて日本の初等音楽教育に携わり、渡欧先のパリにて、J=ダルクローズ(1865〜1950)の創案した音楽教育法「リトミック」に出会い、その後の教育観に大きな影響を受けた。1935年に独自の教育方法「綜合リズム教育」を創案した小林は、2度の留学を経て、J=ダルクローズのみならず多くの教育者や研究者から影響を受けていたことがこれまでの研究で明らかになっている。そこで筆者は、小林が「綜合リズム教育」創案に際して“リズムによる教育”について抱いていた思考に焦点を当て、他者から受けた影響と、小林の独自性について調査することとした。小林は、2度の留学でJ=ダルクローズのみならず多くの研究者から影響を受けているが、本稿ではその中でもリズムに関する人物としてJ=ダルクローズ、ジャン・デュディン (生没年不明)を挙げ、各者から受けた影響と、それらを「綜合リズム教育」の中に取り入れていったことを小林の著した論文を基に示し、その上で小林が独自に編み出した考えを明らかにした。 この研究を進めるにあたり、まずは小林宗作が著した論文から、「綜合リズム教育」の目的を図示し、明確にすることで、小林の教育観について理解を得た。また、J=ダルクローズ、ジャン・デュディンのリズム教育に関することを「綜合リズム教育」の中で小林がどのように解釈しているのかを考察し、さらに、小林宗作が著した論文の中に出てくるリズム教育に対する思考を明らかにすることで、小林の独自性について検証した。 調査し、理解を得たことは次の通りである。 他者からの影響を検証した結果、小林はJ=ダルクローズのリトミックの理念に感化され、その後の教育観に多大な影響を受けていたことがわかった。その中で最も小林が注目し、自身の教育に影響を受けたことは、「内的聴覚を育てる方法として“身体運動”を取り入れた」という事であったと考えられる。この身体運動を使った音楽教育を、その後幼児教育や他の教科教育にも通ずるよう自身の教育を構築していった。つまり、「綜合リズム教育」の目的として掲げられている“リズム体操(身体運動)を通した教育方法”という点で、J=ダルクローズからの影響を大きく受けた。また、そのリズム体操(身体運動)を通して“音楽だけでなく他の芸術教育にもリズム教育を取り入れられる”としたことは、ジャン・デュディンからの影響があったことがわかった。 小林宗作の独自性として、本稿では「リズム教育に対する考え方」と「子どもにとってのリズム教育」という2つの視点を持った。結果、筆者は、小林がリトミックを基盤として全ての教科に通ずるリズム教育を目指していたことと、そのリズム教育の方法として、子どもにとって最も自然な形である“遊び”の中に取り入れたことが、小林の独自性であることを示した。}, pages = {199--207}, title = {小林宗作のリズム教育に関する研究 : 2度の留学で受けた影響と小林の独自性に着目して}, volume = {32}, year = {2020}, yomi = {ウチヤマ, ナツコ} }