@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002205, author = {稲生, 涼子 and Ino, Ryoko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {シンガポールは、長期間イギリスの支配下にあり、1963年を機に、マレーシアに統合された。そして、1965年にマレーシアから独立を果たし、シンガポールという国が誕生した。この国は、天然資源を持たず、人材こそが最大の資源であるという、国家観のもと、カリキュラムの構築が行われている。PISAでは、日本より上位の成績を獲得しており、2016年に行われた調査結果は1位であった。 近年におけるシンガポールの音楽シラバスは、1992年/1993年版、2002年版、2008年版、2015年版へと改訂されており、現在シンガポールで使用されている2015年版の音楽シラバスは、2009年に発表された。2015年版のシラバスが発表される前は、2008年版が使用されており、シンガポールでは、非常に速い速度でシラバスの改訂が行われているという現状にある。そして、シンガポールの音楽シラバスに着目した研究は、森山(2014)と森山(2015)、森山(2016)がある。 森山(2015)は、2015年版シラバスの特徴を明らかにするとともに、シラバスの構造やねらい、および学習領域に焦点を当て、2008年版と比較を行っている。2015年版シラバスの特徴を森山(2015)は、民族的およびグローバルな観点から学習領域や到達目標が新たに設定されていたこと、ICTの活用と21世紀に必要とされる資質・能力に関して具体的に明記されるようになっていたことであると述べている。さらに、比較した結果として、2008年版では、小学6年間と中学4-5年間を5つのステージに振り分けていたのに対し、2015年版は、小学校6年間と中学2年間を4つのステージに振り分けていること。また、ステージ1に該当する学年群が、2008年版では小学1年生から4年生であったのに対し、2015年版では小学1年生-2年生の2年間へと変化したことを挙げている。次に、ねらいの変化に関しては、両シラバスに大きな変化は見られなかったが、2015年版には、「コミュニケーション能力を育成する」ことが新たに示されるようになったと述べている。そして、学習領域の変化に関して2008年版では、「(6)日常生活における音楽の役割を理解する」を含む6領域だったが、2015年版では、「LO4:地域の文化や世界の文化の音楽を鑑賞する」に内包されるようになり、5領域となったとされている。 本研究では、森山(2015)の研究を踏まえ、ねらい、学習領域に加え、21世紀に必要とされる資質・能力のフレームワークに繋がる音楽教育の役割と学習領域の内容にも着目し、シンガポール音楽シラバスの2008年版と2015年版の比較を行い、考察を行った。 2008年版から2015年版への移行における大きな変化としては、(1)21世紀に必要とされる資質・能力のフレームワークに繋がる音楽教育の役割がねらい、学習領域、学習領域の内容に影響を与えていたこと(2)学習領域の内容の難易度が上がっていたことが挙げられた。 さらに、シンガポールの音楽教育への理解を深めるならば、実際にどのような教育が行われているのか、実地調査やインタビュー調査をする必要がある。それは、今後の課題としたい。}, pages = {73--87}, title = {シンガポールにおける小学校音楽シラバスの研究 : 2008年版及び2015年版の比較を通して}, volume = {32}, year = {2020}, yomi = {イノウ, リョウコ} }