@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002204, author = {凉松, 育子 and Suzumatsu, Ikuko}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {本稿は、横浜、神戸、長崎における龍舞の伝承の実態や音楽的特徴を聞き取り調査や実地調査によって明らかにし、各都市の龍舞の在り方や行われてきた意味合いを考察することを目的としている。 「1.横浜における龍舞」では、2つの華僑学校を中心として継承されている点に注目し、特に幼少期から龍舞を行っている横濱中華學院(以下、中華學院)の伝承について述べた。中華學院では、「金龍」という昔の龍体を保有しており、現在でも当時の踊りと音楽が行われている。横浜では龍舞が披露される機会が限られており、獅子舞ほど多くはみられない。金龍の音楽は太鼓、銅鑼、シンバルの3つの楽器で演奏される。校友会、小学生、幼稚園児による龍舞を取り上げたが、幼稚園児、小学生では太鼓のリズムが簡単になっているなどの違いはあったものの、殆ど同じ音楽が継承されていることがわかった。 「2.神戸における龍舞」では、神戸市立神港橘高等学校龍獅團(以下、龍獅團)を取り上げた。近年になって伝承を開始した龍獅團では、日本人の高校生によって部活として龍舞が行われている。シンガポール華人から指導を受けており、夜光龍の世界大会に参加するなど競技性ももって行われている点が特徴であった。神戸の中華街である南京町だけでなく多くの地域のイベントまた大会に出場しており、複雑で魅せる技に伴い、音楽にも多くの種類があった。加えて、太鼓、銅鑼、シンバルだけでなく、笛やツリーチャイムなど龍の動きに合わせて効果的に音楽を使用していることがわかった。 「3.長崎における龍舞」では、中国の龍舞を由来とする龍踊(じゃおどり)が行われていることや歴史などを説明し、踊りと音楽について述べた。長崎の龍踊は、長崎くんちの奉納踊として親しまれており、長崎くんちの踊町の一つである籠町の龍踊は国の重要無形民俗文化財にも指定されている。長喇叭やパラパラ太鼓など長崎特有の楽器も使用されているが、音楽自体は2つの唱歌で言い表される比較的簡単なものである。今回は長崎くんちの踊町の一つである五島町を取り上げたが、多くの団体が存在していても、使用する楽器や唱歌を大きく変えることなく、聞こえてくる音楽は同じように聞こえるというような長崎の龍踊としての型を保ちながら伝承していることがわかった。 「4.まとめと今後の課題」では、三都市の龍舞の意味合いについて考察した。横浜では、華僑を中心とし音楽も脈々と受け継がれていることで、「華僑の伝統文化」の一つとして機能し、特に中華學院では「教育」の一環として龍舞が行われてきた。神戸では、「競技性」を伴った魅せる芸能として、また龍獅團によって様々な場所で披露されることで「神戸の中国芸能」としても認知されてきた。長崎では、独自の形態が築かれ共通性をもった踊りや音楽が継承されていることで、「国の指定も受けた長崎の芸能」として龍踊が行われていると結論づけた。}, pages = {53--71}, title = {龍舞の音楽 : 横浜、神戸、長崎を中心に}, volume = {32}, year = {2020}, yomi = {スズマツ, イクコ} }