@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002142, author = {後閑, 綾香 and Gokan, Ayaka}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {本稿は、ニューヨーク・タイムズ紙に掲載されたローザスの批評を全て調査し、彼らに対する一般的評価の変遷を調べたものである。現在までローザスに関する文献目録はない。網羅的研究ベースが研究の基礎となることは言うまでもないが、今回はニューヨーク・タイムズを対象とし、調査を行なった。ニューヨーク・タイムズ紙を調査した理由として、ケースマイケルの留学先であるニューヨークでは定期的に批評がされていて調査しやすい点から今回は現在までの批評を全て振り返りながら、記事目録を掲載した。そして、記事情報に対して分析を行ったうえで、記事内容の傾向についても考察を加えた。 まず、ケースマイケルに関する記事が全体でどれくらいあるのか、またその内訳を年数ごとに提示した。そして、記事内容が分かるように簡単に要約して示した。それぞれの内容は「公演批評」(24 点)、「宣伝記事」(21 点)、「インタビュー」(3 点)、「紹介記事」(1 点)、「その他」(3点)、「不明」(4点)である。 続いて、ニューヨークにおける活動場所の特徴を示した。すると年代によって活動場所が変化していることが確認できた。1980 年代はキッチンギャラリー、2000 年以降はブルックリン・アカデミー・オブ・ミュージック、ニューヨーク大学内にあるジェラルドW. リンチシアター、異例な場所としてMOMA ニューヨーク近代美術館が挙げられる。また2013年からはニューヨーク・ライブ・アーツで公演を行なっている。現代的、実験的な作品の発展や普及に多大な貢献をした場所での公演の機会が多かったことが確認できた。 さらに、記事で取り上げている各作品の公演頻度を示した。多くの作品がヨーロッパでの初演から1 年から3 年以内に紹介され、上演されている。特に2009 年以降は初演から1年以内にニューヨークでも公演を行うことが徐々に増えており、同時代の演目がより多く紹介されるようになってきたことが指摘できる。初期の作品である1980 年から1992 年までと、最近の作品である2006 年からの作品を多く取り上げている。公演頻度が少ない1993から2005 年までの作品においても、例外的にスティーブ・ライヒを使用している作品である《DRUMMING》、《RAIN》についてのみ積極的に取り上げられていることが確認できた。 これらを踏まえて、ケースマイケルの振付がどのように評価されたのか、いくつかの特徴に分けて分析したところ音楽と振付についての評価において、大きく2010 年までの作品と2010 年以降の作品に区分することができた。2010 年までの作品は(1) フェミニズム的批評、(2)ミニマル主義と表現主義の融合について記述されているものが多い。2010 年以降になると(3)声と息についての探求、(4)音楽と振付の関係性の探求についての記述が多くなる特徴がある。前者は音楽と振付の関係についてはあまり言及されておらず、後者の2010 年以降になるにつれて、音楽と振付についての記述が増える傾向にあることが明らかになった。 筆者は、ニューヨーク・タイムズ以外の批評の調査を継続して行なっており、引き続きそれぞれの批評の特徴を明らかにしていくとともに、音楽と振付の関係性において誤解されやすい初期の作品について分析を通して考察していきたいと考えている。}, pages = {259--268}, title = {ダンスカンパニー「ローザス」における振付と音楽の関係性について : 《ニューヨークタイムズ紙》におけるケースマイケル観の変遷を中心に}, volume = {31}, year = {2019}, yomi = {ゴカン, アヤカ} }