@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002141, author = {大澤, 里紗 and Osawa, Risa}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {ロベルト・シューマン Robert Schumann (1810-1856) は、作曲を本格的に開始した1829年からピアノ作品を集中的に創作し、現在ピアニストの主要レパートリーを占める多くの作品を1840年までに作曲している。1850年代に入ると、シューマンはそれら初期のピアノ作品のうち《クララ・ヴィークの主題による10の即興曲》作品5、《ダヴィッド同盟舞曲集》作品6、《交響的練習曲》作品13、《ピアノソナタ第3番》作品14、《クライスレリアーナ》作品16を改訂し出版する。これらの作品は初版と改訂版、作曲者の死後に編纂された版など複数の版が存在する事から、ピアニストにとって版の選択が難しい作品となっている。 本研究ノートは、シューマンが改訂した5つのピアノ作品において、ピアニストの版選択とその演奏上の問題を演奏史の観点から考察するための調査に基づくものである。本稿ではその第一弾として《交響的練習曲》作品13を研究対象とし、1832年初版と1857年改訂版に加えて、1861年に出版された第3版とヨハネス・ブラームス Johaness Brahms (1833-1897)が出版した1873年初版補遺(遺作)におけるピアニストの版選択について分析をした。本稿では作品13の出版史を概観し、初版と改訂版で相違点や遺作の問題について考察した。さらに、演奏構成について1920年代から2000年代までの録音資料からピアニストの版選択の傾向と遺作の挿入箇所についての分析を行った。 その結果、遺作の有無に関係無くピアニストは部分的に版を選択しオリジナルのテクストを作成して演奏をしており、その具体的な演奏例も明らかになった。また、初版と改訂版を組み合わせて演奏するというだけではなく、練習曲によっては改訂版を基本としつつ部分的に初版を取り入れて演奏するといった現象も起きていた。こうしたことは、複雑な作品の成立背景とシューマンの死後に出版された複数の版の問題に起因するものだが、また一方でピアニストが自由に版の選択や組み合わせを行なっていることも見て取れ、その傾向は近年顕著になっている。}, pages = {247--257}, title = {ロベルト・シューマンの改訂作品におけるピアニストの版選択について : 《交響的練習曲》作品13を例に}, volume = {31}, year = {2019}, yomi = {オオサワ, リサ} }