@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002140, author = {フェヒミユ, ファティ and Fehmiju, Fati}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {本稿は、オランダの作曲家トン・ブルイネル(以下、ブルイネル)(Ton Bruynèl)の作品《コンティヌエーション Continuation》の電子音楽におけるポリスタイリズムの導入方法に関する作品分析である。この作品は、ヨーロッパ・ミュージック・イヤーを契機にJohan Wagenaar(ヨハン・ワーヘナール)財団によって委嘱された作品でもあり、現代である1985年と歴史上の1685年をつなぐ作品でもある。ブルイネルの一連の作品の中でもポリスタイリズムを代表する作品で、彼の傑作でもある。 《コンティヌエーション》は4声(Soprano, Alto, Tenor, Bass)とテープのために作曲されている。ブルイネル自身が「当時の災難に対しての音楽上のリベンジ」と表明したこの作品には4人の作家の手紙、詩、宣言などが引用されている(Nicolas Boileau-Despréaux ニコラ・ボアロー=デプレオー 1636-1711, Jacques-Bénigne Bossuet ジャック=ベニーニュ・ボシュエ 1627-1704, Jean Baptiste Racine ジャン・バティスト・ラシーヌ 1639-1699, Jean Regnault de Segrais ジャン・ルノー・デ・セライ 1624-1701)。そして、グレゴリオ聖歌から Dies Irae のテーマとバッハの作品《マタイ受難曲》の最終楽章の最後の‘Ich bin Gottes Sohn’の部分をも引用している。本稿では、最初にブルイネルの生涯とその創作活動を概観した。その上で、作品全体の各セクションに挿入されているさまざまなスタイル、挿入されたスタイルの配置と各セクション内の形式との関係、使用されている作曲技法の特徴について論じた。ブルイネルは、この作品でポリスタイリズムを用いて創作するにあたり、主に様式を引用するという手法を実践している。この作品の構成は、持続音のように制作されたテープ・パートの上に作品全体で断片的なセクションを奏でる合唱となっている。そのため、作品自体の形式を定義することは特に難しい。ただし、筆者が定義したように、ブルイネルは自分の他の作品でも好んで用いている「様々な作曲技法、音楽様式、芸術領域の組み合わせ」をこの《コンティニュエーション》の中で、無調音楽、調性音楽、ルネサンス音楽、バロック音楽などと巧みに組み合わせており、さらにポリスタイリズムを実践するための引用という重要な手法の一つをも用いているため、ポリスタイリズム様式をもつ作品としてみなされる。たが、この《コンティニュエーション》では1971年にアルフレート・シュニトケが提唱したようなポリスタイリズムが用いられていないことが明らかになった。シュニトケが定義したポリスタイリズムはブルイネルが用いた全ての手法に加えて、「純音楽」と「娯楽音楽」という美学的な意図を持っており、この二つの意図の中で全てのテクニックを巧みに組み合わせることによりポリスタイリズムを実践していると筆者は結論付けた。}, pages = {239--246}, title = {トン・ブルイネルの作品《コンティニュエーション》の電子音楽におけるポリスタイリズムの導入方法に関する分析}, volume = {31}, year = {2019}, yomi = {フェヒミユ, ファティ} }