@article{oai:kunion.repo.nii.ac.jp:00002133, author = {田中, 涼 and Tanaka, Ryo}, journal = {音楽研究 : 大学院研究年報, Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music}, month = {Mar}, note = {山田耕筰は、東京音楽学校で教授される歌曲の多くが西洋の言語によるものであった時代に、日本語の歌詞と西洋音楽との関係について探求し、その成果として一連の「歌曲論」を発表した。その中で彼は、歌曲〈唄〉において、詩と音楽との融合という意味で初めて自身の理想に近いものを表現できたと語った。本論では、〈唄〉、〈唄〉以前に作曲された〈燕〉、〈唄〉以後の〈からたちの花〉を分析対象として、山田の歌曲観と創作との関係を探った。 本論では、歌詞と歌唱旋律との関係について、言葉のアクセントと旋律の音高、言葉のリズムと旋律のリズムを数値化、さらにグラフ化する方法を提案する。同じアクセントの語を抜き出しグラフ化するという方法である。これによって、同じアクセントの言葉どうしを比較でき、意味やアクセントを崩さずに、より細かな分析をおこなうことができ、旋律の音高に関しては、相対的な音程関係を表すことで、その差を正確に数値に置き換えることもできた。 分析の結果、アクセントの種類の中での規則性が見られないものの割合は、〈燕〉が最も高く、次いで〈唄〉であり、〈からたちの花〉では、すべて、アクセントごとにそれぞれ一定の傾向を持つことが明らかになった。つまり、〈燕〉は、アクセントが考慮されていないと言えるが、〈燕〉の中にも規則性が見られるものもあり、それは、音楽的な統一のためであると考えられる。〈唄〉は、〈燕〉と比べると、アクセントが考慮されている傾向にあり、〈からたちの花〉は、同じアクセントの語には同じような高低関係の旋律が書かれていると言える。 リズムにおいても同様に、日本語との一致率は〈燕〉が最も低く、次いで〈唄〉であり、〈からたちの花〉は多くの部分で一致が見られた。 よって山田は、〈唄〉において、言葉と歌唱旋律の音高との関係という意味で、詩と音楽との融合の理想を実現したが、〈からたちの花〉で、それをより完全なものとしたと考えることができる。}, pages = {123--140}, title = {山田耕筰の日本語歌曲における歌詞の音声的要素と旋律の音楽的要素との関係について : 〈燕〉、〈唄〉、〈からたちの花〉の比較分析}, volume = {31}, year = {2019}, yomi = {タナカ, リョウ} }