{"created":"2024-06-01T05:19:28.818351+00:00","id":2000530,"links":{},"metadata":{"_buckets":{"deposit":"2a938e52-f22a-40a3-aa7f-dfbcd8a6dda7"},"_deposit":{"created_by":8,"id":"2000530","owner":"8","owners":[8],"pid":{"revision_id":0,"type":"depid","value":"2000530"},"status":"published"},"_oai":{"id":"oai:kunion.repo.nii.ac.jp:02000530","sets":["62:1715565608263"]},"author_link":[],"item_10002_biblio_info_7":{"attribute_name":"書誌情報","attribute_value_mlt":[{"bibliographicIssueDates":{"bibliographicIssueDate":"2024-03-29","bibliographicIssueDateType":"Issued"},"bibliographicPageEnd":"183","bibliographicPageStart":"167","bibliographicVolumeNumber":"36","bibliographic_titles":[{"bibliographic_title":"音楽研究 : 大学院研究年報","bibliographic_titleLang":"ja"},{"bibliographic_title":"Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music","bibliographic_titleLang":"en"}]}]},"item_10002_description_5":{"attribute_name":"抄録","attribute_value_mlt":[{"subitem_description":"本稿は、S. ラフマーニノフの《コレッリの主題による変奏曲》Op. 42に関わる諸稿の比較を通して、当該作品の音楽構想とその変遷について考察することを目的としている。これまでの彼の作品に関するエディション研究領域において、改訂版の比較研究は枚挙にいとまがない一方、自筆譜を研究対象としたものは少ない。しかし、本研究の重要な先行研究であるCannata(1993)に論じられるように、自筆譜研究は楽曲構想の変遷を辿る上で有用である。また、2023年10月現在、Op. 42の校訂報告付き楽譜は、唯一ヘンレ社より出版されているが、全ての稿を典拠にしているわけではない。そこで、本稿でOp. 42に関わる諸稿を整理し、比較検証を行うことにより論考を進めた。\n本稿は3章構成である。第1章では、本研究の出発点として重要なCannataによる先行研究を参照してOp. 42に関わる3稿(1)作曲ノート、(2)清書譜、(3)初版を概観した。筆者はこれらの画像データを米国議会図書館より取り寄せ、検証した。3稿を比較すると、(2)は(3)の版下に向けて使用されたということもあり、僅かな違いは散見されるが楽曲構成の差異はない。一方で、(1)の構成は(2)および(3)とは大きく異なっており、(1)→(2)の過程で著しい変化がもたらされた様子を確認した。\n(1)は複数のスケッチと草稿が一冊に書き込まれた資料である。この詳細を明示した先行研究は見当たらないため、第2章において筆者が内容の把握と検証を行った。具体的には、(1)の全52ページの内容を確認と、(2)および(3)との共通点・相違点の検証である。ここで、(2)に直結する各セクションの楽想は(1)の時点で書かれているものの、並び順が異なっていることを確認した。つまり両稿の間にはセクションの並び替えという作業がなされている。しかし、一部には(1)、(2)および(3)ともに同じ並びのものがあり、局所的な構想の一貫性もまた認められた。そして、(1)で第13変奏と書かれた楽想は(2)および(3)には用いられず、代わりにインテルメッツォが導入されたことも明らかになった。草稿の第13変奏とインテルメッツォの大部分の要素は異なるが、一部の書き込みに連関が見られる点、主調から離れるセクション(第14、15変奏)への移行を想定している点に共通性が認められた。\n第3章では、(2)のインテルメッツォが(1)の第13変奏に取って代わった事象に着目し、インテルメッツォの分析と考察を行った。「主題を隠す」と作曲家が述べたように、このセクションは主題の分断をもたらし、予想外な展開で曲の「中間」部である第14変奏へと接続する。それは実のところ論理的な和声進行に基づいている一方、複雑さも湛えている。彼のOp. 42以前の変奏曲と対照したところ、インテルメッツォの特異性が浮かび上がった。それはラフマーニノフの言葉でいう「静かな頂点」に対する綿密なアプローチである。この計画は、初期稿(1)の第13変奏草稿から(2)、(3)へと引き継がれ、インテルメッツォとして完成作品の中で結実したのである。ここに「頂点」の効果を最大限に引き出そうとする作曲家の構想を見出すことができるのではないだろうか。\n","subitem_description_language":"ja","subitem_description_type":"Abstract"}]},"item_10002_identifier_registration":{"attribute_name":"ID登録","attribute_value_mlt":[{"subitem_identifier_reg_text":"10.20675/0002000530","subitem_identifier_reg_type":"JaLC"}]},"item_10002_publisher_8":{"attribute_name":"出版者","attribute_value_mlt":[{"subitem_publisher":"国立音楽大学大学院","subitem_publisher_language":"ja"}]},"item_10002_source_id_9":{"attribute_name":"ISSN","attribute_value_mlt":[{"subitem_source_identifier":"02894807","subitem_source_identifier_type":"PISSN"}]},"item_access_right":{"attribute_name":"アクセス権","attribute_value_mlt":[{"subitem_access_right":"open 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