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  1. 音楽研究 : 大学院研究年報
  2. 36

『仁智要録』に見る箏の奏法 : 唐代の箏の奏法解明の手がかりとして

https://doi.org/10.20675/0002000527
https://doi.org/10.20675/0002000527
0ce83626-6f1a-42c4-803a-7d5934141851
名前 / ファイル ライセンス アクション
D36_117_Li.pdf D36_117_Li.pdf (2.5 MB)
Item type 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1)
公開日 2024-06-01
タイトル
タイトル 『仁智要録』に見る箏の奏法 : 唐代の箏の奏法解明の手がかりとして
タイトル
タイトル The Zheng Playing Method Seen in Jinchi yoroku : As a Clue to Clarify the Zheng Playing Method in the Tang Dynasty
言語
言語 jpn
キーワード
主題 箏, 奏法, 『仁智要録』
資源タイプ
資源タイプ departmental bulletin paper
ID登録
ID登録 10.20675/0002000527
ID登録タイプ JaLC
アクセス権
アクセス権 open access
著者 李, 嫣寒

× 李, 嫣寒

ja 李, 嫣寒

ja-Kana リ, ヤンハン

en Li, Yanhan

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抄録
内容記述 本稿の研究目的は、平安末期の箏譜『仁智要録』の菊亭本、鷹司本および伏見宮本における楽譜の考察を通して、箏の奏法を解読・分析することである。この領域の先行研究には葉棟『唐代古譜訳読』、スティーヴン・G・ネルソンは、レクチャー・コンサート「平安時代の箏(そうのこと)―失われた伝承をめぐって―」、宮崎まゆみの『平安時代の箏曲―復元の試み―』、寺内直子の『雅楽のリズム構造―平安時代末における唐楽曲について―』、関也維『唐代音楽史』などがあるが、『仁智要録』巻第一「箏案譜法」の奏法解釈には、一致した見解が見られていない箇所がある。
そこで本稿では、まず関連する先行研究の奏法の解釈を右手と左手とに分けて整理し、これらを手がかりとして自分の見解を示した。先行研究では右手奏法の食指、中指、大指の指使い、「返爪」、「中指大指摘合也」および「大指歴渡六絃一聲 但絃多小随便用之」、左手奏法の「推入」と「推放」に共通の解釈があることがわかった。これらの奏法に関しては、筆者も先行研究と同様と考えている。
ただし、右手奏法の「食指中指大指摳合也」と「三指摳合後更加大指也」についての解釈は異なっており、『仁智要録』の楽譜を確認し考察したところ、前者の奏法は現行雅楽の「早掻」の奏法と類似していると判断した。また、「三指摳合後更加大指也」は「食指中指大指摳合也」すなわち「早掻」に続けて再度、親指を弾くことと考える。
次に、「推入」は本来左手奏法の一つで、現在の俗箏の「押し手」という奏法と似ており、「二度推入」は文字通り「推入」を二回演奏する奏法と判断できる。また、「取由一度曳緩也」は、右手で絃を弾いた後に、左手で絃をつまみ、右方向へ少し引っ張りながら揺れ動かすものと考えられた。
『仁智要録』における右手と左手の奏法を考察することで、平安時代には両手を用いて演奏することが普通であったことや、多彩で変化のある奏法であったことがわかる。現行雅楽の箏とは異なり、平安時代の箏はリズム楽器ではなく、より音楽的で、管絃の演奏の中における位置づけも現在とは異なっていた可能性がある。本稿では、『仁智要録』の奏法解釈をめぐって先行研究の整理を行い、自身の解釈を提示したが、十分な史料考証と考察が行き届いているとは言い難い。今回扱ったもの以外の写本を含めた考察をし、箏の奏法解読の確かな手がかりを得ることが今後の目標である。
書誌情報 ja : 音楽研究 : 大学院研究年報
en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music

巻 36, p. 117-131, 発行日 2024-03-29
出版者
出版者 国立音楽大学大学院
ISSN
収録物識別子 02894807
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Ver.1 2024-06-01 05:19:19.760562
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