WEKO3
アイテム
明治期から昭和初期における邦人作曲家によるフルート・オブリガート付き声楽作品 : 近代日本におけるフルート・レパートリーの幕開け
https://doi.org/10.20675/0002000526
https://doi.org/10.20675/0002000526526a5437-d266-44bb-9ace-47bcedaeed49
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
---|---|---|
![]() |
|
Item type | 紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
公開日 | 2024-06-01 | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | 明治期から昭和初期における邦人作曲家によるフルート・オブリガート付き声楽作品 : 近代日本におけるフルート・レパートリーの幕開け | |||||||||||
タイトル | ||||||||||||
タイトル | Vocal Pieces with Flute Obbligato by Japanese Composers from the Meiji Era to the Early Showa Era : The Dawn of the Flute Repertoire in Modern Japan | |||||||||||
言語 | ||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||
キーワード | ||||||||||||
主題 | フルート, フルート・オブリガート, フルート・オブリガート付き声楽作品, 梁田貞, 橋本國彦 | |||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||
ID登録 | ||||||||||||
ID登録 | 10.20675/0002000526 | |||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||
著者 |
渡邉, 玲子
× 渡邉, 玲子
|
|||||||||||
抄録 | ||||||||||||
内容記述 | 本稿は、邦人作曲家によるフルート作品が初めて作曲されたとされる1930(昭和5)年の以前から、フルート・オブリガート付き声楽作品(以下、フルート・オブリガート作品)が作曲されていた点に注目し、明治期以降の来日外国人フルーティストによる演奏記録や、1939年以前の邦人作曲家によるフルート・オブリガート作品を調査し、重要な作品4点を分析したものである。取り上げたのは、梁田貞(1885-1959)の《昼の夢》と《花の春》、橋本國彦(1904-1949)の《城ヶ島の雨》と《笛吹き女》であり、各作品の出版状況と演奏記録に触れながら、内容と共にその変遷を辿った。 調査の結果、邦人作曲家のフルート・オブリガート作品創作の事始めは1911(明治44)年であり、1939年以前には少なくとも13作品の作曲が確認できた。現時点で最初と考えられるのは梁田の《昼の夢》(1911)だが、作品の形式、テンポ、拍子、助奏楽器の用い方には、それまでに幾度となく演奏されてきたグノーの《セレナーデ》の影響が色濃く表れていた。続いて梁田の《花の春》(1916)には、来日外国人フルーティストの演奏レパートリーを想起させるように、小鳥のさえずりを彷彿とさせるトリルやプラルトリラーが多用されていた。これらの点から、邦人作曲家による最初期のフルート・オブリガート作品は西洋音楽の模倣から生まれたものであり、その背景には来日外国人フルーティストの影響があったと言える。彼らの存在が多くの邦人作曲家にフルート・オブリガート作品の作曲を促したことで、岡村雅雄(1892-1961)をはじめとする最初期の邦人フルーティストの活躍へと繋がったのである。 梁田と同様、助奏楽器としてフルートやヴァイオリンを積極的に声楽作品に取り入れている作曲家に橋本國彦がいる。彼はそうした作品を9点作曲しており、そのうちフルート・オブリガート作品は現時点で5点確認できた。最初のものと考えられる《城ヶ島の雨》(1928)は、作曲者自身による演奏上の指南も残っており、フルートの技巧上難しくはないが、助奏楽器としての役割を自覚して、演奏されるべき楽曲であることが分かった。一方、同年の《笛吹き女》(1928)は、曲の長さ、音域、音の細かさ、アンサンブルの複雑さから、同時代のフルート・オブリガート作品と比較して、演奏に求められる技巧性が高いと言える。梁田による最初期の作品や橋本の《城ヶ島の雨》が助奏楽器としての域を出ないものであったのに対し、1928年以降はフルートの現実的な奏法に寄り添いつつも、技巧的な作品が生まれていく。その背景にはやはりフルーティストの存在、ここでは深尾須磨子(1888-1974)など邦人フルーティストの活躍があった。西洋音楽の模倣から生まれた邦人作曲家のフルート・オブリガート作品は、こうした技術的な段階を経て、やがて邦人作曲家によるフルート独奏作品の創作へと繋がっていくのである。 |
|||||||||||
書誌情報 |
ja : 音楽研究 : 大学院研究年報 en : Ongaku Kenkyu : Journal of Graduate School, Kunitachi College of Music 巻 36, p. 101-115, 発行日 2024-03-29 |
|||||||||||
出版者 | ||||||||||||
出版者 | 国立音楽大学大学院 | |||||||||||
ISSN | ||||||||||||
収録物識別子 | 02894807 |